「組織」でのキャリア開発を考える

 「企業は人なり」と言われます。
 その組織に所属する人たちによって、当面の業績はもちろんのこと、社風や風土、文化など中長期的にも影響があることについては異論のないところでしょう。
 ですからどの組織でも、よい人材を確保したい、今いる人材によりよくなって欲しいと考え、いろいろな施策が展開されます。

 しかし、実際のところ、人材の違いとは何がどのように違うというのでしょうか?
 また、育成するとすれば長期的な視点で考えなければなりませんが、どのようになってもらおうとするのでしょうか? また、どうやって育成するのでしょうか?
 そもそも組織が個人を育成できるものなのでしょうか?
 人を育成する - よく用いられる言葉です。しかしその本質の部分については論議されないままになってはいないでしょうか?

 人をどのように捉えるのか、つまり「人間観」「人材観」は、それぞれの組織固有のものです。その組織ごとに明らかになっていることが重要ですし、そうでなければ展開されるさまざまな施策に齟齬が生じてしまいます。

 「キャリア」についても同様です。
 「キャリア」とは何か。「キャリア開発」とは何か。
 なぜキャリア開発に組織が取り組むのか。個人の問題ではないのか。
 組織のとってのメリットは何なのか。それを十分に引き出すためには何に配慮すべきなのか。
 こうした点について共通理解としておくことがキャリア開発を根付かせ、組織と個人の成長に寄与させるコツです。
 それぞれの問いについて一緒に考えてみましょう。

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