内的キャリア重視のキャリア開発
 なぜ内的キャリアに注目するか
 内的キャリア自覚は外的キャリアを広げる
  内的キャリアに関する自己理解の深まりは、外的キャリアの選択の幅を広げます。
 例えば、「教師になりたかったが教員試験に落ちてしまった。もうだめだ」という学生に、そもそも教師になりたかった理由や、なぜそのように考えるに至ったか、その仕事にどのような意味を感じていたのかという内的キャリアの側面を尋ねていくことで、例えば「何か新しいことを知ったりできるようになったときの人の輝いたような笑顔が好きだから」ということが分かったりします。
 何かを知った、何かができるようになったとき、つまり人の成長の瞬間に立ち会えるということが大切なのであれば、教師という職業はその内的キャリアを実感する機会の多い職業です。
 しかし、その瞬間に立ち会えるのは、教師だけではありません。場面に着目すれば学校以外、例えば幼児教室や塾などでもその機会は得られます。また対象に注目すれば子供たちだけでなく、大人にだって成長する場面はあります。それらを考えていけば、外的キャリアは教師だけではないことに気付き、新たな選択肢を増やすことができるようになります。

 一隅を照らす
 また、自分の内的キャリアについての理解が深まるということは、仕事を楽しむコツをつかむということでもあります。
 どんなときに満足感を得られるのか、何に意味を感じるのかが分かっているということは、今やっている仕事を通じてそのような結果が得られるように工夫すればよいということになるのです。
 たとえばお客様からのフィードバックがあって、自分が役に立った実感が得られることにやりがい、働きがいを感じていたのに、社内業務に異動になってお客様と接する機会がなくなってしまったという場合でも、自分が関わったことについてのフィードバックが得られることが重要なのだと分かれば、相手が社外のお客様である必要はないわけで、社内の関与先との関係を工夫して反応が得られるようにすれば、やりがいを感じるようにできるかもしれません。

 特に組織で仕事をしていると、自分が思うような職務に就けるとは限りませんし、またつけたとしてもずっとそれをやり続けられるかどうか分かりません。さらに、そこに固執し過ぎることが長い目で見たときに本人にとってキャリアの選択肢を狭めるという意味でマイナス要因となることもあります。異動というのは避けられないし、避けない方がよいこともあります。
 この時、自分の内的キャリアが分かっていれば、異動先での身の処し方も分かってくるのです。
 一隅を照らすという言葉があります。
 そこにいても自分らしく仕事をし、自分の役割を全うするという意味でも内的キャリア自覚は重要なのです。

 
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