組織でのキャリア開発を考える
 「企業は人なり」と言われます。
 その組織に所属する人たちによって、当面の業績はもちろんのこと、社風や風土、文化など中長期的にも影響があることについては異論のないところでしょう。
 ですからどの組織でも、よい人材を確保したい、今いる人材によりよくなって欲しいと考え、いろいろな施策が展開されます。 
 しかし、実際のところ、人材の違いとは何がどのように違うというのでしょうか?
 また、育成するとすれば長期的な視点で考えなければなりませんが、どのようになってもらおうとするのでしょうか? また、どうやって育成するのでしょうか?
 そもそも組織が個人を育成できるものなのでしょうか?
 人を育成する − よく用いられる言葉です。しかしその本質の部分については論議されないままになってはいないでしょうか?
 人をどのように捉えるのか、つまり「人間観」「人材観」は、それぞれの組織固有のものです。その組織ごとに明らかになっていることが重要ですし、そうでなければ展開されるさまざまな施策に齟齬が生じてしまいます。
 「キャリア」についても同様です。
 「キャリア」とは何か。「キャリア開発」とは何か。
 なぜキャリア開発に組織が取り組むのか。個人の問題ではないのか。
 組織のとってのメリットは何なのか。それを十分に引き出すためには何に配慮すべきなのか。
 こうした点について共通理解としておくことがキャリア開発を根付かせ、組織と個人の成長に寄与させるコツです。
 それぞれの問いについて一緒に考えてみましょう。


  組織がキャリア開発に取り組むのは、メンバーが自律・自立した社員であることが、組織にとっても有益だから。
 留意しないといけないのは「自律」(個立)しているということと、自己中心的であるということの違いを、組織も個人も理解していること。
キャリア開発に取り組む意味

 キャリア開発の前提となる「個人と組織の共生」を実現し、個人が自律的に取り組めるような環境とするには人事制度も整える必要があります。 前提と役割指向人事制度

 メンバーがキャリア開発に主体的に取り組めるようにするために、組織は組織にとっての「キャリアスケープ」を見せることが、経営理念、経営計画の実現に寄与します。 組織にとってのキャリア開発

 キャリアスケープを示すことが組織にとってどのようなメリットがあるのか? 3つの観点から検討しています。  キャリアスケープのもたらす3つの効果

  キャリアスケープがある組織とない組織はどのような差異が生まれるのでしょうか? 表にまとめるとこのようになります。 比較表・キャリアスケープの見える組織見えない組織

 キャリアスケープの構築はどのように進めるのでしょうか?
(最初から完成度を求めないことも成功の秘訣です。それぞれの組織にあったやり方があるものです。それはやってみて確認するものでもあります)
キャリアスケープ構築のプロセス

 キャリアスケープを組織に導入する場合の中核的な思想として「キャリア・アイランド」モデルがあります。競争でメンバーを疲弊させない、生き生きとした仕事人生を実現し、それを組織の成長に結びつけるモデルです。 キャリア・アイランドモデルへ