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面接いろいろ(その2)(#23)
面接いろいろ(その3)(#24)
2004/9/15
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(現在準備中)

 今回も会社で行われている面接についてです。
 3回目の今日は「キャリア面接」についてです。
 面接シリーズでは一応、最終回となります。
 初回は人事考課をする頃に、2回目は目標を設定する頃に行う面接を取り上げました。
 うちの会社は面接制度があるよ−という会社のほとんどはこの2種類だと思います。
 あまり実施されていないのがこのキャリア面接です。


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 ★ キャリア面接とは?
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 キャリア面接とは、簡単にいってしまうと、将来のキャリアについて上司と部下が話し合い、相互に理解を深めておく面接です。
 まず面接をする上司ですが、直属の上司であることも多いようですが、効果が上がるのはやはり上司の上司、あるいは社内の人材開発について検討する人事委員会(人材開発委員会、キャリア開発委員会というところもあるようです)のメンバーであるほかの部門の管理職の場合でしょう。
 なぜなら、直接の上司の場合は、「キャリア面接」といってわざわざ時間を区切らなくても、前回取り上げた「目標設定面接」の時にそれについても話せばよいからです。
 逆に「今後のキャリアを考える上ではほかの部門へ行きたい」ということは、今の上司にはなかなか面と向かって話せないことが多いからという理由もあります。

 上司の上司、あるいは人事委員会のメンバーによる面接ということになると、面接担当者一人に対する対象人員は必然的に多くなります。
 そのため、キャリア面接は毎年一回ではなくて、当人の節目の年に実施することにしている会社もあるようです。
 ところでこの節目ですが、入社○年目という考え方はキャリア面接においてはあまり意味を持ちません。
 ○年目という外的な基準よりも本人の内的な成熟度の方がカギになるからです。
 そこで本人を平素観察している直接の上司、あるいは社内の人材育成について責任を担う人事委員会メンバーが、将来について検討しておいた方が良さそうな人材をノミネートし、委員会で検討の上、面接を行うことになります。
 ただし、この辺りの進め方は定石があるわけではなく、その組織の特徴によって決める方がよいようです。
 本人からの申し出をより重視したいような組織(ある意味では社員の自律性をより重視する組織)では、自己申告書の中にキャリア面接の希望を記入できるようにすることもできます。
 そうしたことになれていない組織では、当初は人事サイドで適切な人材を独自にサーベイしておくという方法もあります。

 なお、委員会主導で面接対象者を決めるにしても、早期選抜と連動させるようなことは避けるべきです。
 基本的には全ての社員が対象です。
 キャリア面接をする中で、本人の考えるキャリアプランから見ても、会社の希望、人材育成戦略からいっても、「この社員については早期に昇進させた方がよい」ということになれば、先の人事委員会で取り上げて今後の人事異動などに反映させていけばよいのです。
 つまり結果として早期選抜になることはあるかもしれないのです。
 初めからそれを目的に実施することは、キャリア面接本来の目的から逸脱するだけではなく、選抜されるための受け答えになってしまうことが強く懸念されます。


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 ★ どんな内容か?
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 では、キャリア面接ではどんなことが取り上げられるのでしょうか?
 テーマは先に述べたように、その社員のこれからのキャリア開発についてです。
 つまり、
 1)今後の中長期の自分自身のキャリア開発をどのように考えているか
 2)それはなぜそう思うのか
 3)そのために職務上あるいは職務外でどんなことをしているのか
 4)会社に対してはどんな支援をして欲しいと思っているのか
といった内容が話し合われることになります。
 当然会社側の期待も述べられます。
 具体的な職名、役割名を挙げて、それについてどう思うかという話し合いもなされるでしょう。

 そこで、キャリア面接を充実したものとするために、個人の方も会社の方もやっておくべき事があります。
 まず個人がやっておくべきことは、当然のことながら自分のキャリアについて考えておくことです。
 従って、入社すぐに面接をしてもあまり意味がないかもしれません(面接をしてそれを配属に反映させるという場合は意味があるかもしれませんが、それはここでいうキャリア面接というよりは配属面接とでもいうべきでしょう)。
 個人が自分のキャリアについて考えていること−とても簡単そうに聞こえますが、全ての社員が考えられているかというとそうでもありません。
 考えるためには自分の適性を知っておく必要もあるでしょうし、それ以前にそもそも自分は何をやりたいのか? ということも分かっておく必要があります。
 そうしたことを自分で考えられる人もいるのですが、考えることができない−そうした能力がないというのではなく、これまであまり考えたことがないので、急にいわれても困ってしまうという人は決して少なくありません。
 そこで、キャリア面接は単独で行われることも多いのですが、敢えて自分のキャリアについて集中的に考えるワークショップ(CDW:CareerDevelopment Workshop )のキャリア開発ワークショップの項をご覧下さい)と並行して行うケースもあります。
 並行して行わないにしても、自分のキャリアについて考えるCDWのような場を設定しておくのはとても有益です。

 一方、面接担当者にもすべきこともあります。
 まず面接の前には自己申告書や直近の人事考課などの本人に関わる資料には目を通しておきたいものです。
 面接は一人でやるよりも二人でやった方がやりやすいかもしれませんが、この場合は二人でどのような面接にするかを話しておくとよいでしょう。
 また気にかかることがあれば上司に確認しておくことも必要でしょう。
 さらに、基本的には社員が主役の場ですからカウンセリングの基礎、傾聴トレーニングはしておくべきです。
 キャリア面接といいながら面接した方が話して、社員がそれを押し黙って聞いているというのでは面接になりません(そうして話を聞いた方が本人の気づきにつながることがないとは言えませんが)。

 人事部局にもやっておくべきとことはあります。
 先の面接担当者のところで述べたように、本人に関わる情報を面接者にきちんと伝えることをしなければなりません。
 できれば、面接が上手くいっていったのかどうかフォローするとよいでしょう。
 キャリア面接制度が上手く運用されるかどうかは、面接者のスキルによるところも大きいですが、人事部局が運用推進にコミットしておくことも不可欠です。
 きちんと面接を行わない管理職には強めの指導ができるくらいでなければなりません。

 キャリア面接制度の展開例は「個立の時代の人材育成」(横山哲夫、生産性出版)に詳しいです(ただし今は店頭には置いていないので、日本キャリアカウンセリング研究会に申し込むとよいでしょう)。


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 ★ キャリア・カウンセラーの出番
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 先に個人が自分のキャリアを考えておく必要があると述べましたが、それを支援するのがキャリア・カウンセラー、キャリア・コンサルタントですね。
 特にキャリア・コンサルタントは、もともとは組織内に個人のキャリア開発支援を行えるような人がいることが雇用のミスマッチを防ぎ、個々の社員が継続的に組織内で生き生きと働けるというという発想から、厚生労働省が育成、活用を後押ししているものですよね。
 組織の外でキャリア・カウンセリングをする人が増えることも必要ですが、組織内でもキャリア・カウンセリングが受けられるようにしておくことが、結局はキャリア面接を充実したものにします。
 なぜなら、キャリア・カウンセリングを受けておくことが本人の自己理解を深めますし、キャリア面接では対処しきれない内的な問題についての対応が可能だからです。
 キャリア面接が充実すると、個々の社員は自分のキャリアについて真剣に考え、自分なりのゴールを持つことができます。
 その際、会社の中長期的なビジョンとのすりあわせも当然考えますから(考えないと自分のキャリアを具体的には考えられないですから)、個人と組織の関係はとても良いものになります。
 さらに、前回述べた目標設定面接も、とてもスムーズに進むようになります。
 これが個人の職務満足や、組織の生産性、創造性の向上につながり、結果的に短期業績の向上と中長期的な発展をもたらすことになります。
 だからこそキャリア・コンサルタントには個人の理解ということは当然必要ですが、人事、組織の知識が求められると思います。
 このメルマガを発行したのはそんな思いからなのです。


 このメールマガジンは、キャリアスケープ・コンサルティングが発行しました。
 キャリアスケープ・コンサルティングのホームページは     
 
 キャリア面接をする際に、社内にどんな役割があるかを分かっていると話は具体的になりやすいのです。
 キャリア開発という視点から考える人事制度(HRD/HRM)については こちら 

  

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