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昇進と昇格(#1)
リスクヘッジ氏、現る!(#1.5)
2004/3/31
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自己申告書(#2)

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 ★ リスク・ヘッジ氏、現る!
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 社会人のキャリア・カウンセリングをしていてこんな事例に行き当た りました。
 30代前半の会社員、男性の方です。
 「毎日忙しくて仕方がない。自分のことを集中して考える時間がない ので、相談に来てみた」ということでした。
 「世の中何が起こるか分かりません。常にリスクを考えておかなけれ ばいけないと思うんですよ。だから私は常にリスク・ヘッジということ を考えているんです」−というところから話は始まりました。

 今回のお題は・・・
   「リスク・ヘッジ」です。


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 ★ 「リスク・ヘッジ」って?!
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 リスク・ヘッジ(risk hedge)というのは、商品・株式・ 外国為替の取引で、買い方の値下がり損や売り方の値上がり損を防ぐた め、逆の空売り・空買いをする保険的な操作−という意味の金融用語で す。
 これを転用して、何かを買おう、何かしようと決めたときに、うまく いかなかった場合のことを考えて何らかの手だてをうっておくこと−と いう意味にも使われるようになっています。

 さて、この方、リスク・ヘッジ氏(日本人の方ですけど)とのやりと りは次のように進んでいきました。
 リスク・ヘッジ氏「どんなことでもリスクがあるとお話ししましたね。 一つに絞り込むということはかなり危険なんですよ。金融商品だって株 ばかりじゃなくて、国債とかも併せて運用するでしょう? 自分のこれ からのキャリア、仕事人生の展開についても同じだと思うんですよ。だ から常にリスク・ヘッジということを考えています」
 −なるほど。で、具体的にはどんな風になさっているんですか?
 リスク・ヘッジ氏「キャリアについていえば、一つだけの目標を決め るというのは危ないと思っているんです」
 −じゃぁ、いくつかのゴールを考えていらっしゃるんですね。
 リスク・ヘッジ氏「えぇ。それもあるのかもしれませんが、私の場合 は、キャリア・ゴールだとか目標を決めないようにしているんです。い くつかのゴールを考えるといっても、今後、もっといい良いゴールが出 てくるかもしれないじゃないですか。まだ30代前半なので、これから どんな選択肢があるか分かりません。そうしたことにも対応できるよう に、いまはできるだけ枠を広げておこうと思っています」
 −では、大変ですね。どんなことが出てくるか分からないわけです から、いろんな準備をしておかないといけませんよね。
 リスク・ヘッジ氏「そうなんです。だから時間が足りなくて・・・」
 − ・・・・・


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 ★ リスクをとらない「リスク」
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 リスク・ヘッジ氏の言うとおり、リスク・ヘッジという考え方は、こ れからのキャリア、仕事人生を考えていく上で必要な発想かもしれません。
 「これしかない」と思いこんでいたら、それがなくなったとき大慌 てしてしまいますから。
 しかしリスク・ヘッジとは、先に説明したように「こういう風にしよ う」と決めたこと(金融でいえば投資した商品・案件)が何らかの都合でうまくいかなくなったときの用心のためのものです。
 つまり「リスク」があって初めてリスク・ヘッジということに意味が 出てきます。
 「どうするか決めない」−というのは、リスクをとっていないのですから、この状態でリスク・ヘッジということを考えるというのは、車も買っていないのに自動車保険にはいるようなものです。

 どうするか決めるからリスク・ヘッジをするのであって、何も決めないということはリスク・ヘッジではありません。
 あえていうなら、リスク・ヘッジ氏は「今は何もきめない」ということを決めた−といえます。
 決めないでいることによるリスク−たとえば時間や資源を集中的に投下することができないこと、チャンスを逃してしまうこと−に対するリスク・ヘッジを、このリスク・ヘッジ氏はどうするのでしょうか? 
 先ほどのカウンセリングの場面では、そうしたことをお伝えしました。
 リスク・ヘッジ氏「そういえば、そうですね。決めることを先延ばし にしてきただけなのかもしれません」


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 ★ まとめ
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 将来に向けての決断は難しいものだと思います。
 不確定要素が多い中で決めることはつらい作業かもしれません。
 決めてもその通りにならないかもしれない−と思うと一層その気持ち が強くなるかもしれません。
 チャンスの女神の後ろ頭は禿であるという諺があるそうです。
 すれ違ったチャンスは、つかもうと思っても、もうつかむところがないという意味だそうです(ちょっと失礼な諺ですが)。
 ちょっと乱暴かもしれませんが、まずはとりあえず決めてみるということも必要かもしれません。
 決めると後で間違いに気づいたり、しまったと思うことがあるかもしれません。
 でも、決めないとそうした気づきも得られないままです。
 でも、相場と一緒で人生も、あとで取り返す機会は何度でもあるものです。


 
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