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通知表がかえってきました
絶対評価と相対評価(#17)
2004/7/21
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雇用機会均等法(#18)

 暑い日が続いています。
 学校が夏休みに入ったせいか、電車が少し空いているのがありがたいですね。

 うちの子は昨日が終業式でしたので通知票を持って帰ってきました。
 通知票といえば絶対評価、相対評価ということをお聞きになったことはありますか?
 今回は、これをお題に。


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 ★ 相対評価と絶対評価
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 相対評価というのはあるグループの中で、対人比較によって序列付けを行うやり方です。
 一方の絶対評価というのは人との比較ではなくて、ある特定の基準を超えたかどうかで判断する方法です。

 一昔前の通知票は相対評価でした。
 そのクラスの中で良くできる方から5段階なり、3段階なりに区分します。
 良くできる子ばかりがいると普通の子でも通知票は低めになります。
 反対の場合、通知票は高めになります。
 人との比較になるので同じような実力の子でも違った評価になってしまうという点や、どうすればもっと良い評価になるのかが具体的に分かりにくいというのが難点です。
 意地悪な言い方をすれば、どうすればもっと良い評価になるかといえば、友達の足を引っ張れば引っ張るほど自分の成績は浮上していくのですが‥‥‥これは勧められたものではありませんね。

 そこで最近採用されているのが絶対評価です。
 到達度評価といっても良いのでしょうか?
 学習の習熟がどこまで進んでいるのかで評価をします。
 良くできる子が多いと、みんながいい評価になります。
 達成基準が分かるので、学習の目当てが立てやすいですね。
 ただ、基準を明確に作らないと判断できないので、手間がかかると言えます。
 相対評価なら、なんの順であってもともかく並べて、上位から区分していけばよいのですけど、絶対評価の場合は、基準が曖昧だと判定できなくなりますから、どうしても「評価の区分数−1」の数だけ基準を作らなければなりません。
 何らかの数字で表現できれば楽なのですが、たとえば「授業への取り組み意欲」といったような曖昧なものだと基準作りは大変です。
 「なんでうちの子は『頑張ろう』なんですか」といわれたら、どのような基準に照らしたかを説明しなければいけませんからね。


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 ★ 感覚的に合うのは相対評価?
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 二つの評価方法のうち、理詰めで考えれば絶対評価の方が良いのですが、苦労して基準を作った割にはしっくりいかないのが現状です。
 上司が考課結果を見たときの納得感、腑に落ちた感じは、相対評価の方が強いと言われています。
 なぜでしょう?

 それは「全体性」です。
 相対評価は順番に並べるときに、その人の全体を見て判断していることが多いのです。
 評価内容を評価項目毎に区分し、着眼点といって何を評価するかまで明らかにしているにもかかわらず、それに付随する行動、言動も含めてしまっているのです。
 順番に並べるだけですからそうした曖昧な点があっても何とかやっていけます。

 一方、絶対評価の場合は、基準を明確にしようとすればするほど、考課の内容は絞られていきます。
 曖昧さをのぞこうとするからです。
 内容が狭くなる分、その面に突出していれば考課点が高くなり、逆の場合は低くなります。
 考課するポイントが仕事をする上でカギ、勘所となるところになっていればよいのでしょうが、それ自体を見抜くのが意外に大変であることと、それ以上に、その勘所も仕事の目的や達成しようとしている成果が同じではないので、その都度見直さなければならなくなります。
 さらに、そこまでしても、人間を構成する元素とその質量をそろえても「ヒト」を再構成することができないのと同じように、いくら細かく分析的に評価しても全体像を描くことはできないのです。


 これは絶対評価をすることが無駄だといっているわけではありません。
 先に述べたように上司が考課結果に対して持つ納得感や腑に落ちた感じは、対象者の全体的なイメージに対してのものだからです。
 「全体像」で評価するなら相対評価の方が向いていると言うことです。
 とすれば、今後の昇進や配置転換を考えるなら相対評価で、業績賞与のように達成した成果に対して短期の報償で報いるなら絶対評価でという使い分けをするということも必要になっていきます。
 注意すべきは、それぞれの特性を踏まえて使うと言うことでしょう。

 面接の際の「評価が良くない」−という話も、どんな評価か聞いてみなければ分からないとも言えます。
 絶対評価の場合であれば、どちらかというとどうやってそれをクリアするかということにフォーカスされるでしょうし。相対評価の場合であれば、本人だけの問題ではない場合も考えられるからです。


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 ★ 評価、区分、配分
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 ところで、絶対/相対という話は、評価段階だけでなく、その後の区分、配分にも登場します。

 区分とは、評価をしたあとに、SだとかA、Bといった評語を決定することを指します。
 このとき、評価の得点順に並べて上位○○%はSと決めていくのが相対区分。
 80点以上はS、70点以上80点未満はAと決めていくのが絶対区分です。

 配分とは給与改定や賞与の原資を先のSやAといった評語に応じて決定していく方法を指します。
 相対配分とは評語に応じて原資をうまく分配する方式です。
 ポイント配分式賞与といって、評語をポイント化し、社員全員の持ち点(ポイント)総合計で賞与原資を割って、1ポイント当たりの単価を出し、それに各個人の持ち点を乗じて賞与支給額を算出するという方法が代表的な例です。
 絶対配分というのは、Sだったら50万円というように、評語と金額が1対1対応になっているものを言います。

 それぞれにメリット、デメリットがあります。
 「相対」化すると、どうしても不明確さを伴います。
 不明確さというよりは、因果関係が見えづらくなる、あるいは同じ成果であっても状況によってはリターンが変わってしまう不安定さともいえるでしょう。

 しかし、企業経営上、評価、区分、配分のどこかのステップで必ず一つは「相対」を入れなければなりません。
 絶対評価、絶対区分、絶対配分だと人件費をコントロールすることができなくなってしまいます。

 

 このメールマガジンは、キャリアスケープ・コンサルティングが発行しました。
 キャリアスケープ・コンサルティングのホームページは     
 
 最終的には役割との相場感も必要になってきます。
 キャリア開発という視点から考える役割成果人事制度(HRD/HRM)については こちら 

 

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