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成果主義のせいか?(#15)
ハロー効果(#16)
2004/7/14
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通知表がかえってきました(#17)

 さて、ほとんどの会社では「人事考課」なるものが、多くの場合は半年に1回、あるいは1年に1回実施されています。
 人事考課という名称ではなく「評価」だったり、「査定」だったりすることもあるようです。
 人事考課をする上で問題になるのが、考課者の主観が混じってしまうことによる判断の差。
 これを「考課者の甘辛」とも言います。
 甘い評価=点数を高めにしてしまうこと、辛い評価=点数を厳しく付けてしまうこと、ということですね。
 甘辛が起きる原因といわれるもののうちもっとも有名なのが「ハロー効果」です。
 本日のお題はハロー効果。


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 ★ あばたもえくぼ
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 Aさん「今度きた課長さんって、すてきね」
 Bさん「ほーんと。実はね、大手企業の取締役のご子息なんですってよ」
 Aさん「なーるほど、それでいつもきりっとした背広を着てるのね」
 Bさん「そうそう、ハンカチからなにから、ほとんどバー○リーみたいよ」
 Aさん「すてきねぇ」

 実際にこういう会話があるかどうかは別にして、「大手企業の取締役のご子息」というので、課長さんの何から何までが素敵にみえてしまうのがハロー効果の典型です。
 あばたもえくぼといいますが、好いた人なら何から何までかわいく見えてしまうというのもハロー効果です。

 本来の事実が、その人の周辺の事情で覆い隠されてしまって、よく見えたり、逆に悪く見えたりするのがハロー効果です。

 ちなみにハロー効果のハローとは、もちろん「こんにちは」という意味ではなくて、「halo effect」、正確に訳せば「光背効果」あるいは「後光効果」です。

 後光とは後ろから差す光ですね。
 光背とは仏像の後ろに広がっているあの「オーラ」みたいなやつのことです(やつだなんていったらばちが当たりそう・・・)
 そうした後ろかさらす光の強さで、本来の姿が見えなくなってしまうというのがハロー効果です。
 ある種の先入観といってもよいでしょうね。

 これがあると、例えば「あいつ東京大学首席だったらしいぜ」というと何を言っても正しいことを言っている、論理的なことを言っているようにみえたり、体育会系の社員は誰もが根性があるように見えてしまったりということになります。
 事実はどうか分からないのに、です。

 人事部門としてはできるだけこのハロー効果をなくそうと努力しています。
 しかし、残念ながらなかなかハロー効果というのはなくなりません。
 きっと永遠になくならないと思います。
 なぜかというと、それが人間の生き残るを左右する能力だったからだと思うのです。


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 ★ 生き残りをかけたハロー効果
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 まだ人間が野生にいた頃、外敵に出会ったらいち早く逃げなければいけません。
 外敵を見つけるのは早ければ早いほど逃げおおせる確率は高くなります。
 逆に獲物を見つけたときは、早く見つければ見つけられるほど、それを手にする確率は高くなります。
 つまりできるだけ早く、正しく動いた者が生き残れるんです。

 早く、正しくという相反することを実現しようとすると、できるだけ少ない情報でも、判断したいものを峻別しうる最低限の特徴を見出さなければなりません。
 いちいち「あ、動いているものがある。体長は2メートルくらいあるな。
色は黄色と黒のしましま模様だ。何となく猫に似ているな。こちらを見ているぞ。こういうものに出会ったことはあったかな」と情報検索をしている暇はありません。
 黄色と黒のしましまを見たら、まず逃げる!です

 このように、次の行動を起こすための判断ができるための、特徴的な手がかりをたくさん持っていると、その分速く逃げたり、早くえさにありつけたりします。
 そのような、
 1)特徴的な情報を見つける
 2)それを覚えておく
 3)情報が入ったら、いち早く結びつけて行動に移す
という能力がご先祖様の代から求められていたのです。
 結果的にそうした能力に長けた遺伝子が生き残ってきたのではないでしょうか?

 現代だって、歌舞伎町辺りを歩くと、「やばい」と思うような方と出会うことがありますよね。
 できるだけ早く見つけないと、肩でも触れたら大変‥‥なことになるかもしれません。
 早く見つけて、早く行動に移す。
 ハロー効果はこうして我々の身を守ってくれているのです(^o^)。


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 ★ 自分の先入観に気づくこと
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 冗談はさておき、ハロー効果は人事考課上問題になるだけでなく、人間関係の面でも問題を起こします。

 まず、あまりに見た目で判断しすぎると、相手のことをきちんと理解できなくなってしまいます。
 髪の毛の色が違っていたらみんな不良! と思う人は最近でこそ少ないのですが、もともと茶色っぽい人はこれでかなり苦労したそうです。

 そうした誤解をしたまま、相手と接することで、行き違いが生じてしまいます。

 こうしたことを防ぐには、自分が他人を理解しようとするとき、どんな癖を持っているのかを知っておくことが必要です。
 難しいことですが、無意識に判断してしまう前に自分で気づくしかありません。
 無意識に判断する前だなんて、分かるわけないではないか!
 その通りかもしれません。
 だとしたら、他の人からフィードバックをもらうしかありません。
 自分はどんな癖を持っているのか教えてもらうのです。
 耳の痛いことを言われるかもしれませんが。
 でも、誤解をしたままよりはいいかもしれませんよ。
 


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