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2004/3/24
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リスクヘッジ氏、現る(#1.5)


 こんにちは、メールマガジン発行人の小野田です。
 メルマガの申し込みありがとうございます。
 今回が実質的な最初の回となります。

 このメルマガではキャリア開発やキャリア・カウンセリングに関わっている方々に、人事や人事制度に関わる情報をお伝えすることを目的としています。
 いわゆる「人事制度」は組織にいる人にとっては大きな影響を持つものです。
 知らなくても何とかなりますが、知っていた方が来談者の理解を深めることになると思いますし、状況を変えていかなければならないときにはさまざまな手がかりを得ることができます。

 自分がいた会社の人事制度というのは、実はその会社だけでしか通用しません。
 名前がよく似ていても中身が違ったり、運用状態は違っていることがほとんどです。皆さんの知識や経験を補足できるような事柄をお伝えしたいと思います。
 そうすることが、自分のキャリアを自律的・自立的に展開できる個人を増やすことにつながることを期待しながら・・・


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 ★ もうこれ以上出世できない・・・ 
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 「私は今、6等級なんですけどね。・・長いんですよ。もう先はないのかなぁなんて・・・、行き詰まりを感じているんですよね」
 来談者にそういわれて、ぴんと来る人は、人事部にいたことがあったり、人事制度に関心を持っていたりする人ではないでしょうか?

 今回のお題は・・・
   「昇格と昇進」です。

 そう、創刊準備号でもふれた「資格」「等級」についてのお話です。


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 ★ 資格、等級とは何? 
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 先の話に出てきた○等級というのが「資格」「等級」といわれるものです。
 「算盤4級なら私も持っているけど・・・」「なんで会社の中に等級なんてあるの? スイミングスクールじゃあるまいし」・・・という方もいらっしゃるかもしれませんね。

 特に「職能資格制度」(職能等級制度とか職能資格等級制度と呼ばれることもあります。細かくいえば違うものですが、平たくいうと同じものです)という人事制度を導入している会社では、この等級が処遇上の大きな意味を持ちます。
 先に算盤4級といいましたが、この等級もある意味で似たようなものです。つまり、その人の仕事を進めていく能力の高さを示したものがこの等級なのです。
 算盤と違って検定試験を行う全国組織があるわけではなくあくまでもその社内だけで通用するものです。

 先にも触れたように資格といったり等級といったりします。
 ややこしいので、私は「社内格付け」と呼んでます。

 ところで、○等級を等級と呼ぶのは当然ですが、なぜ資格と呼ぶのでしょうか?
 それは「等級」だと、先のようになんだかスイミングスクールみたいなので、「主事」「主事補」「参与」「副参与」といった名前を当てるところもあるからです。なので「資格」。
 「参与」というと格好良さそうですが、あくまでも社内での格付けです。
 さらに、この資格と実際の肩書き、つまり「課長」だとか「部長」だとかというものは結びついていないことがほとんどです。

<ここまでのまとめ>
 会社の中だけで通用する「社内格付け制度」というのがあり、等級や資格が社員に付与されます。
 これは「課長」「部長」といった肩書きとは必ずしも結びついていません。
 資格が高いけどヒラ社員という人もいます。


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 ★ なぜ「行き詰まり」?
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 一般に「出世」といわれる肩書きがあがっていくこと、課長→部長となっていくことを「昇進」(あるいは役職昇進)といいます。
 一方、社内格付けがあがっていくことを「昇格」(格が上がるわけですから)といってこれを区別します。
 先にいいましたように、社内格付けと役職は結びつきませんから、昇格=昇進とはなりません。
 昇格はあくまでも本人の問題ですけども、昇進はポストが空いていないとできません。
 ですから昇格しても昇進できない、つまり出世できないことも少なくありません。

 でも、冒頭のお話はそうではなさそうです。
 実は6等級というところにポイントがあります。
 多くの職能資格制度は一般社員層と管理職層の区分を設けています。
 一定の等級以上でないと管理職にしないのです。
 等級数は会社によってまちまちなのですが、10等級か9等級制にしていることろが大半で、その中で、6等級が一般社員層の上限として設定されているケースが多いのです。

 ここから上は、これまでとは違って簡単には昇格しづらくなります。
 何せ、管理職に任命するかもしれないという層ですから、見る目も厳しくなります。
 中には昇格試験があったりするところもあります。

 人によってはこの一般社員としては最高の等級で足踏みしたまま昇格できなくなってしまうのです。

 こうしてこの等級に長いこととどまっている人は少なくありません。しかもほとんどの給与制度が、同じ等級に居続けると昇給(給与が上がること)がストップするように設計されています。
 なので、この等級は「いつまでこの等級にいるのだろうか?」「もうここが限界なのではないだろうか」という不安を感じる等級でもあるのです。

 さらに、後輩が追い付き、追い越していく等級でもあります。
 今まで面倒見ていた後輩がより上の等級にあがっていく・・・同期のあの人が先に行くのは仕方ないとしても、後からきたあいつが・・・何となく感じてはいたことだけれど、まざまざと見せつけられたような感じになるのもこの節目の等級なのです。

 この等級は、多くの場合30代前半ばから40代前が多いのも特徴です。
 年齢的に、がむしゃらにやってきた時期を終え、同期との差にも気がつき始める時期と符合するわけです。
 ですからなおのこと、「今なら間に合うかもしれない」−と転職を発想する契機ともなるわけです。

<ここまでのまとめ>
 社内格付けには節目の等級があって、そこに長くいると先が見えたような感じになります。
 このままでいいんだろうか? やり直すなら・・ ということを考えてしまう時期です。


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 ★ 今回のまとめ
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 なお、必ず6等級というわけではありません。
 会社によっては全体の等級が8までしかないところもあれば13くらいあるところまでありますから。
 ただ、自分のキャリアに迷いを生じたり、転職を考えたりする契機として、節目になる等級があるということは覚えておいてもよいかもしれませんね。
 


 
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