人事システムへの展開
人事考課制度へ

 前にも述べたように人事考課の内容はその役割の機能をどれほど達成したかを見ることになります。
 このときの基準となるのが役割基準書です。
 役割基準書とは、役割ごとにその役割が担当する仕事の中身、ポイント、達成基準(評価の際の目安)、難易度をまとめたものです。
 役割をきちんと定義することは人事考課の精度を向上させるという面でも意味を持ってくるわけです。

 人事考課の内容は、定常的な機能については役割基準に基づいて評価を行い、経営戦略に基づいて特に設定するような機能の場合は、別途個人課題などという形で評価するのが適切です。
 これは組織としての対応力を維持するための方策です。

 また、お客様に対して同品質の価値を提供するという意味では、会社としての行動理念を言語化して、これを「行動特性評価」として加えることで、価値観の徹底を図ることも出来ます

キャリア開発支援策へ

 役割指向型人事制度では、組織の側だけでなく、社員の側にもどの様な役割を経験したいか、どの様なキャリア・パスを通っていきたいかを自分で考えさせるようにしています。
 これは、個人に対して選択の自由を保証する(選択の自由を保証しているのであって、選択が必ず実現されるかどうかは分からない)ことが必要ですし、保証するからこそ成果についての自己責任を問うことが出来るからです。

 社員が自分のキャリア・パスを考えたり、それを組織に表明したり出来るようにしておくことを後押しする具体的な方法がキャリア開発研修であり、自己申告制度であり、社内公募制度です。

 キャリア開発研修では、自分のキャリアについてどの様に発想すべきかまた具体的なキャリア・パスをどう設計するかを修得します。
 自分のキャリア展望については平素から考えているように思えても実は何も考えていないということがよくあります。キャリア開発研修ではキャリア・カウンセラー(キャリア・コンサルタント)の助力も得ながら、個人がキャリア・プランを考えていくための後押しをしていきます。

 自己申告制度はこうして考えたキャリア・パスをたどろうとするとき、それについて発言する機会を保証するものです。
 自己申告の提出にあたっては、自分についての分析、検討を十二分にやっていることが求められます。ただ単に書いただけの自己申告は自己申告の意味をなさないといってもよいでしょう。

 社内公募制度は、社内のポストについて公募する制度です。これにより、自己申告書を経なくても行きたい部署があれば直接手を挙げられるようになります。

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