キャリア開発を活かす役割指向人事
CareerOrientedHRM
役割指向人事とは

 役割指向人事とは、「役割」を中心に、人事・処遇を行う人事(HRD/HRM)の考え方です。
 ここでいう「人事・処遇」とは、人事異動や報酬の高さといった狭い意味ではなく、どのように人材を育成するか、どのような人材を配置するかという人材戦略と、評価・報酬といった人事考課、報酬制度といったいわゆる人事制度とを含んだ、広い意味での人事システムを指します。

 役割指向人事の一番大きな特徴は、処遇の基本を「役割」においていることです。
 役割についての考え方は別項で解説しますが、簡単にいえば一人の社員が担当する職務の束を指します。
 役割を基本とするということは、あくまでもこの職務の束の内容を問題にしようということであって、「誰」がその役割を担当するかということは考慮しないということです。
 つまり、役割指向人事は「仕事本位」の考え方であり、人に格付けをしたりするものではないということです。これまで日本で最も多く導入されている人事の考え方は職能資格制度であり、これは人の方に格付けを決めています。
 人の能力を格付けするため、その人の組織内での位置づけが分かりやすいというメリットがある半面、等級を下げるということがその人の能力だけでなく人格までも含めて格付を下げるかのように見えるため、どうしても一端挙げた等級を引き下げられず、年功序列(というよりはむしろ年齢序列)を引き起こす主要な要因となっていました。
 役割指向人事ではあくまで役割に格付けをし、同じ役割であれば同じ報酬を与えることを原則とします。
 実際には同じ役割でもきちんと全うできた人と、不十分だった人がでてきます。同じ役割でも成果に格差が出るということです。成果が異なればそれに応じた格差が処遇にも生じます。しかしその基本ベースは同じということです。

 また役割の内容が変わると処遇の内容が変わることもあります。仕事の中身が変わったからです。
 いわゆる職務給に近い考え方です。

 役割に応じた処遇を行うことは、人的生産性を一定程度に保つと同時に、個々の社員が主体的にキャリア開発を行いながら、自分らしいキャリア展開を図っていくことに寄与します。このことが中長期的には組織に活力を与えることになります。


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